以前、アバルトエンジンのエンジニアリングが知りたいと題した記事を書きました。一言で言うと、エンジンの素性を知る日本語資料がほとんど無いなぁ(困)。というお話です。
今日のお題はそんなことにも通じるでしょうし、すこしエンジンオイルの性能についても語ろうと思います。
まずは、こちらの写真をご覧下さい。
オイルフィラーキャップの裏側です。
裏側に茶色がかった乳白色のものが見えると思います。これからいろいろ述べますが、まず最初にこれは故障では無いと考えております。
さて、では、これはなにか。
ウエスを絞って中に入れ、吸い込ませた後の画像がこちら↓です。
茶色い部分が乳白色のものを吸い込ませた部分。
その周辺が青くなっているのは何故??これはなんだろうか。という話になります。
答えは、水分です。つまり茶色い乳白色の物質は、乳化しかかった水分とエンジンオイルが混ざったものということです。
以前から気にしておりましたが(エンジンオイル交換のたびにブローバイの話題を持ち出しています)、やはりブローバイガスは相当発生しているであろうということが言えそうです。
・ブローバイガスはエンジンヘッド内にたまりやすいと言われるということ
・ガソリン燃焼時に水が発生するということ
(補足:エンジンオイルの粘度(指定粘度10W-50) の高さからもピストンとシリンダーのクリアランスは大きそうだと言えそうですね)
冬場は寒いため金属製のオイルフィラーキャップは熱伝導率が良いため、エンジンオフ後にエンジン本体よりも早く冷えるため結露しやすいということも言えそうですし、あわせて私の最近の車の乗り方(ちょい乗りが多い)ことも理由に挙げられそうです。
以上の理由から、 水分発生は全く不思議ではありません。(冬場にマフラーから排気ガスと共に湯気が出ますね。あれは燃焼時に水分が外に出ていることと同じ事です。)
さて、エンジンを燃焼すると水分が発生するということはご理解いただけましたでしょう。アバルトエンジンでちょい乗りをすると、これだけ乳化すると言うこともわかりました。
では、エンジンを破損したり劣化させないためにはどうすればいいのか。
運用を変えるのが最善策ですが(寒いところでちょい乗りしない。)ですが、「道具としても使っている以上無理」なわけで、ではどうするか。ということです。
やはり、エンジンオイルが乳化することは避けられないわけですが、これを防ぐためにはどうすればいいのか。という方向で今回は考えてみます。
1、オイルキャッチタンクを取り付ける
2、エンジンオイルの性能を考慮する
の二つかと思います。
※補足:ブローバイガスは吸気側に戻すことが法律で義務づけられています(ブローバイガスの大気開放の禁止:車検に通りません)。つまり乳化する前の気化した状態のガスはどんな車でも必ずもう一度エンジンに取り込まれる構造になっています。まだよく見ていませんがアバルトもそのような管があるはずです。
さて、補足で述べているその管。アバルトにはどうなっているのだろうといろいろ調べたら、とても高性能なシステムが搭載されているようです。
Fire Roadster様ホームページ内コンテンツ アルファロメオMitoにて減圧バルブを調査されてます
自動車の仕組みを理解していないとなかなか難しいのですが、一言で言うと「Mitoとアバルトのエンジンには、高性能で不純物とエンジンに吸わせても問題なさそうな空気のセパレーターが搭載されている」ようです。
また、最終的な結論としてもオイル分割は純正システムで相当できているように見受けられます。
(低負荷時はエキゾースト側つまり排気側にブローバイガスが流れる、高負荷時には吸気側に流れる)
※一方で、減圧バルブシステムはオイルの劣化を促進するものであることは間違いありません。
となると、サーキット走行を見越した大量のオイルミストの防止という目的以外でオイルキャッチタンクを検討するよりも 、エンジンオイルの性能を考慮した方が得策のように思えます。
ここまで書いてきて、アバルトのエンジンオイル交換の重要性がわかっていただけているのでは無いかと思います。
さて、エンジンオイルに水分が混ざるということは、理解していただけていると思います。
エンジンオイルは「油」 ですから、「水」とは混ざりませんが、水分の混入はエンジンオイルの性能を劣化させます。それが加水分解です。
高性能ベースオイルとされているエステルは水に弱く分解されやすい物質です。改質されたエステル(コンプレックスエステルなど)も存在しますが、劣化しないわけでは無い。また、エンジンオイルが加水分解に強かったとしてもエンジン内に水分が存在することは間違いないわけです。
ということで、やはり定期的なエンジンオイルはした方がいい。というわけですね。
さて、すこし強引ですが、今日のまとめです。
1、冬場のちょい乗りはエンジンオイルが劣化する要素が満載
2、アバルトエンジンには高性能なブローバイガスを分離させるシステムが搭載されている
3、冬場の運転は、特にちょい乗りは水分が混入しやすい。水分はエンジンオイルを劣化させるため、定期的な交換が必須
純正オイルだから加水分解に他のオイルと比べてずば抜けてすぐれいているかというとどうなのだろうかと思います。 事実、アメリカでは通常の500では Chrysler Material Standard MS-10896のオイルが指定されているようですね。(アメリカのアバルトオーナーの多くはペンズオイル利用者が多そうです。)
アバルトに限らず、冬を越した際にエンジンオイル交換を行った方がいいと思います。数年で乗り換える方であればいいかもしれませんが、そうでない方や中古車を乗り継ぐような方は特に気に留めておいた方がいいと思います。
ちなみに、一番最初の画像を掲載した際に、一緒にエンジンオイル量も確認したところ、レベルゲージはこのようになりました。
やや汚れ気味ですが、エンジンオイルパンのエンジンオイルは乳化していませんから、やはり故障とは言えなさそうですね。
今日のお題はそんなことにも通じるでしょうし、すこしエンジンオイルの性能についても語ろうと思います。
まずは、こちらの写真をご覧下さい。
オイルフィラーキャップの裏側です。
裏側に茶色がかった乳白色のものが見えると思います。これからいろいろ述べますが、まず最初にこれは故障では無いと考えております。
さて、では、これはなにか。
ウエスを絞って中に入れ、吸い込ませた後の画像がこちら↓です。
茶色い部分が乳白色のものを吸い込ませた部分。
その周辺が青くなっているのは何故??これはなんだろうか。という話になります。
答えは、水分です。つまり茶色い乳白色の物質は、乳化しかかった水分とエンジンオイルが混ざったものということです。
以前から気にしておりましたが(エンジンオイル交換のたびにブローバイの話題を持ち出しています)、やはりブローバイガスは相当発生しているであろうということが言えそうです。
・ブローバイガスはエンジンヘッド内にたまりやすいと言われるということ
・ガソリン燃焼時に水が発生するということ
(補足:エンジンオイルの粘度(指定粘度10W-50) の高さからもピストンとシリンダーのクリアランスは大きそうだと言えそうですね)
冬場は寒いため金属製のオイルフィラーキャップは熱伝導率が良いため、エンジンオフ後にエンジン本体よりも早く冷えるため結露しやすいということも言えそうですし、あわせて私の最近の車の乗り方(ちょい乗りが多い)ことも理由に挙げられそうです。
以上の理由から、 水分発生は全く不思議ではありません。(冬場にマフラーから排気ガスと共に湯気が出ますね。あれは燃焼時に水分が外に出ていることと同じ事です。)
さて、エンジンを燃焼すると水分が発生するということはご理解いただけましたでしょう。アバルトエンジンでちょい乗りをすると、これだけ乳化すると言うこともわかりました。
では、エンジンを破損したり劣化させないためにはどうすればいいのか。
運用を変えるのが最善策ですが(寒いところでちょい乗りしない。)ですが、「道具としても使っている以上無理」なわけで、ではどうするか。ということです。
やはり、エンジンオイルが乳化することは避けられないわけですが、これを防ぐためにはどうすればいいのか。という方向で今回は考えてみます。
1、オイルキャッチタンクを取り付ける
2、エンジンオイルの性能を考慮する
の二つかと思います。
※補足:ブローバイガスは吸気側に戻すことが法律で義務づけられています(ブローバイガスの大気開放の禁止:車検に通りません)。つまり乳化する前の気化した状態のガスはどんな車でも必ずもう一度エンジンに取り込まれる構造になっています。まだよく見ていませんがアバルトもそのような管があるはずです。
さて、補足で述べているその管。アバルトにはどうなっているのだろうといろいろ調べたら、とても高性能なシステムが搭載されているようです。
Fire Roadster様ホームページ内コンテンツ アルファロメオMitoにて減圧バルブを調査されてます
自動車の仕組みを理解していないとなかなか難しいのですが、一言で言うと「Mitoとアバルトのエンジンには、高性能で不純物とエンジンに吸わせても問題なさそうな空気のセパレーターが搭載されている」ようです。
また、最終的な結論としてもオイル分割は純正システムで相当できているように見受けられます。
(低負荷時はエキゾースト側つまり排気側にブローバイガスが流れる、高負荷時には吸気側に流れる)
※一方で、減圧バルブシステムはオイルの劣化を促進するものであることは間違いありません。
となると、サーキット走行を見越した大量のオイルミストの防止という目的以外でオイルキャッチタンクを検討するよりも 、エンジンオイルの性能を考慮した方が得策のように思えます。
ここまで書いてきて、アバルトのエンジンオイル交換の重要性がわかっていただけているのでは無いかと思います。
さて、エンジンオイルに水分が混ざるということは、理解していただけていると思います。
エンジンオイルは「油」 ですから、「水」とは混ざりませんが、水分の混入はエンジンオイルの性能を劣化させます。それが加水分解です。
高性能ベースオイルとされているエステルは水に弱く分解されやすい物質です。改質されたエステル(コンプレックスエステルなど)も存在しますが、劣化しないわけでは無い。また、エンジンオイルが加水分解に強かったとしてもエンジン内に水分が存在することは間違いないわけです。
ということで、やはり定期的なエンジンオイルはした方がいい。というわけですね。
さて、すこし強引ですが、今日のまとめです。
1、冬場のちょい乗りはエンジンオイルが劣化する要素が満載
2、アバルトエンジンには高性能なブローバイガスを分離させるシステムが搭載されている
3、冬場の運転は、特にちょい乗りは水分が混入しやすい。水分はエンジンオイルを劣化させるため、定期的な交換が必須
純正オイルだから加水分解に他のオイルと比べてずば抜けてすぐれいているかというとどうなのだろうかと思います。 事実、アメリカでは通常の500では Chrysler Material Standard MS-10896のオイルが指定されているようですね。(アメリカのアバルトオーナーの多くはペンズオイル利用者が多そうです。)
アバルトに限らず、冬を越した際にエンジンオイル交換を行った方がいいと思います。数年で乗り換える方であればいいかもしれませんが、そうでない方や中古車を乗り継ぐような方は特に気に留めておいた方がいいと思います。
ちなみに、一番最初の画像を掲載した際に、一緒にエンジンオイル量も確認したところ、レベルゲージはこのようになりました。
やや汚れ気味ですが、エンジンオイルパンのエンジンオイルは乳化していませんから、やはり故障とは言えなさそうですね。